名経営者が、なぜ失敗するのか

失敗とは後から振り返って認識できるのであり、決断した時点では、常に「よく調べ、よく考え、最高の決断をした」と思い込んでいます。
ゆえに、それ以上の戦略の問題点を認識することは困難です。

とはいえ過去の失敗のパターンを認識し、自説を再検討するというステップは決断を下す前に必要なステップだと思います。

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■経営者はなぜ状況を見誤るのか?

◆戦略上のミスインテント
①「魔法の解」を信じてしまう
 たった一つの原則を成功の秘訣だと信じ込んでいないか?
②「聖杯」を求めてしまう
 永遠に達成できない戦略を追いかけていないか?
③誤った評価基準を採用する
 目標とする基準自体が間違っていないか?
 (自社の長所を賞賛されると、それをさらに追いかけたくなる)

◆認識の誤り
①賞味期限切れの答えを信じ込む
 かつては有効でも、今でもそうなのか?
②「別のゲーム」を始めてしまう
 似ているからといって、アプローチが同じとは限らないのではないか?
③自己認識を誤る
 自社の勝因・相対的な競争力を見誤っていないか?
④「映画プロデューサーの失敗」を犯す
 他社の勝因を見誤り、単なる物まねをしようといていないか?

◆たった1つの解にこだわる
①「スモールワールド」の住人になる心理
 顧客ニーズを、せまい視点や経験で判断していないか?
②他人の土俵で自分の相撲をとってしまう心理
 その市場の暗黙の前提を知らないで進もうとしていないか?
③拡大熱に冒される心理
 規模の拡大に夢中になるあまり収益を見失っていないか?