企業コンプライアンス

「グレーな行為を容認することは、いずれ違法行為を行うこととなる危険性が高い。」・・・たしかに規範意識は、1つ1つのルールについて大きく変わることはなく、あらゆるルールに対して同じように見る傾向があると思います。

ある業界で悪弊が横行し、それに支えられた安値競争がある場合、悪弊を見直せば企業として生き残れないということになるので、いかにそれを指摘し、他社も是正するのかという視点が必要だと感じました。

でないと企業の最大のリスク「倒産」を避けるために、なんでもやってしまうからです。人間でいえば「正当防衛」的発想です。

このことを抜きには、この書のいう「トップの本気」は期待できません。

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■不祥事事例と教訓・対応策
ライブドア(企業と直契約する矛盾をかかえる公認会計士制度の見直しを)
三菱自動車(クレーム・苦情情報の共有と開示、苦情担当部門に権限を)
雪印(消費者への開示速度向上、業界の悪弊の見直し)
西武鉄道(安易に不正を否定しない、責任者への処分は厳しく)
⑤松下・パロマ(人命にかかわる欠陥対応はなりふりかまわずやるべし)
耐震強度偽装(建築確認制度改善、責任明確化と保険制度の充実を)

■企業不祥事の分類
①トップの号令による全社一丸利益至上主義型
②ワンマントップによる保身・私利私欲型
③悪弊の継続・事なかれ主義・隠蔽体質型
④反社会勢力との癒着・利用型
⑤社員による「私利私欲」型
⑥社員による「会社のため」型
リスク管理体制の不備と拙劣な危機対応型