分社経営の実際

当初「こんなときに分社化」には給与等の条件を変えたい時と書かれていますが、後の章で「給与制度は原則統一」となっています。分社化のパンフレットでもないのに、つい最初の方ではメリットを強めに書いてしまうのは類書の傾向といえます。

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■こんなときに分社化が生きる
1.事業部制ではもの足りない
2.支店・営業所、工場、店舗が各地に分散していたら
3.独立採算制を強化したい
4.工場や事業所・店舗ごとに給与や勤務の条件を変えたい
5.中小企業のメリットを追求したい
6.ベンチャー・ビジネスを始めたい
7.実績主義で部門別成果配分賞与を実施したい
8.中高年齢層の受け皿に
9.有能な技術者をスカウトするとき
10.後継者を養成したい
11.新しい形ののれん分けに
12.合法的に節税をしたい


■分社化のデメリット・問題点
1.各分社が統一した理念と経営戦略のもとに行動することが困難となる
2.横のコミュニケーションが阻害されセクショナリズムに陥りやすい
3.相互の人事ローテーションが難しくなる
4.管理・間接業務(本社機能)の親会社での集中処理をやらないと経費が増える
5.資金管理を集中して行なわないとその回転が悪化する
6.小規模単位の分社とした場合は税務上節税効果があるが、わが国の現状では連結納税制がないため、グループ内に欠損企業があると損金を通算できない





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