堺屋太一の見方

堺屋太一氏は、通産省官僚になったばかりの頃、万博を企画し、大阪万博の開催にまでこぎつけたことは有名な話ですが、文化と経済の両面を洞察する視点は、近視眼的になりがちな思考に刺激を与えてくれます。この本はそんな堺屋太一氏の物の見方を過去の著作等からまとめたものです。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
■「人と人生」から
・好きなこと、それは疲れないことだ。
・心の豊かさ5つの条件「他人と競わぬこと」「足りるを知ること」「目先に惑わされず長期展望を持つこと」「量に狂わず質を選ぶこと」「常に正しい手段を選ぶこと」
■「経営と経済」から
・儲かる経営には、三比主義すなわち「前年比」「予算比」「他社比」から抜け出し、自社の理想を目標とすべき。
■「組織」から
・共同体すなわち「家族・地域社会など構成員の満足を目的とする組織」と、機能体「外的な目的を達成するための組織」の違いを意識する必要がある。
・大組織が死に至る病3つ、「機能体組織の共同体化」「環境への過剰適応(適合しすぎて変化に対応できない)」「成功体験への埋没」
■「知恵と知価」から
・知価社会では変化が常態化する、いわば創造と廃棄が常時あることを予定した「柔らかい社会」へ。
■「情報と文化」から
・目立った事件の印象で議論を展開するのは危険だ。
■「国家と政治」から
・国連中心外交などあり得ない。国連は決議機関であり、日本も決議の前に投票しなければならないから、決議に従って行動するというのは前後が逆。





−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−