見える化

 いろいろな経営戦略論を「見える化」というキーワードで一遍に理解してしまおうと意図は、ちょっとこじつけな所もないわけではありませんが、なかなか面白くわかりやすい試みだと思います。
 この本も最後にどんでん返しがあり、会社と社員に「信頼」がないと見える化がなりたたない、と断言しています。
 社内が信頼で結ばれている状態をつくることは、「見える化」よりも何倍も難しそうなんですが・・・

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■「見える化」とは
・強い企業は、現場が当事者として自律的問題解決能力を持っている
・現場が自律的に課題解決するため、問題を発見・設定できるようにする
・単に情報を公開しただけでは、大多数の相手が見ようとないなので成立しない
・受取り側の意思にかかわらず、目に飛び込んでいく状態にする知恵が必要


■「見える化」のポイント
・問題の見える化 日々発生する異常やシグナルをタイムリーに
・状況の見える化 企業の考え方・ルール・経営資源・活動実態など
・顧客の見える化 顧客の声を集めるだけでなく、顧客にも見えるように
・知恵の見える化 解決のヒントや過去の経験などのナレッジを
・経営の見える化 現場の問題解決活動をモニタリングする

■4つの落とし穴
・IT偏重 ITは感情を伝えるのに適していない
・数値偏重 生の情報・定性情報を重視せよ
・生産偏重 営業・サービス等の情報を重視せよ
・仕組偏重 形だけ導入するのではなく、利用者の感度を上げよ

■よい「見える化」がもたらすもの
・気づきを育み、新たな認識や疑問が生まれ、考えるという作業が行われる
・組織内で共通認識ができ、職種や世代の壁を超えて対話が促進される
・考えや対話により仮説が生み出され、具体的な行動につながる
 つまり「気づき→思考→対話→行動」という「影響の連鎖」
・影響の連鎖は人を育て、組織の壁を破り団結を育む
・問題解決のために放っておいても組織の垣根を超えた協力が行われる




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遠藤功関連読書メモ

ねばちっこい経営 http://d.hatena.ne.jp/junya-aoki/20070505/asin4492532242




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