組織行動の「まずい!!」学

各種の「ルール」には作られた当時、想定・認識していた「リスク」があります。

時間の経過とともに「ルール」だけが伝承され「リスク」の認識がなくなると、手抜きや迂回などの逸脱行動が始まってしまいます。

逆に想定されてた「リスク」が環境変化により起こりえなくなっても「ルール」だけが残り、なぜ守る必要があるかもわからないのに、「ルール」に従って行動していることもあります

本来「ルール」作成時に想定するリスクを明記すべきなのでしょうが、これは議事録等にしかなく、後の人がアクセスするのが困難な場合が多いようです。

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■ベテランの危険性
 ベテランの行動に対する監督が緩い上に、現場の地位が相対的に高い。
 自己の力量に慢心し周囲の指導やアドバイスを受け入れず、規則やマニュアルもあっさり無視するような名前だけのベテランが予想外の事故を引き起こす。

■グループシンクの危険性(和を重視しすぎると)
 グループで協議を続けると、時間がかかる上、反対意見が削られてしまう
 ・集団の実力に対する過大評価
 ・集団独自の道徳の押し付け
 ・外部の意見に対するステレオタイプ的な反応
 ・主流と異なる意見に対する自己検閲
 ・満場一致を求めるプレッシャー

■強すぎるリーダーシップの危険性
 逆にリーダーが強すぎても反対意見が出にくくなる

■安全対策の磨耗
 もともと作業規則等は、人為的ミスを前提に、多重防護の発想から安全対策が重層的に施されているが、問題は、少しの手抜き等を許容するため、これが日常化してしまうことである。