初乗り610円にだまされるな
「計画意思決定のための経済性工学」をストーリー仕立て(ザ・ゴールの手法ですね)でわかりやすく解説しようとした本。機会損失を出会いや結婚で説明しようというのは興味深いです。
少し財務会計になじみがある人はかえって管理会計的発想についていけないことがあります。そんな時にこの本を読んでもらうのもよいかもしれません。
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■意思決定の原則
1.目的の明確化(目的が違えば答えは違う)
2.比較する選択肢の明確化(拡散し選択肢を増やしてから選ぶ)
3.範囲の明確化(埋没原価にまどわされるな)
4.相違分の比較(変わるところだけを比較すればいい)
■判断基準
1.排反案の場合・・・どちらかを選ぶ時は利益の絶対額の大きい方
2.独立案の場合・・・両方選べる時は利益率の高い方から
3.混合案の場合・・・差額の効率の良い順に
☆回収期間を気にすべきなのは資金繰りが厳しい時と将来の見通しが不確実な時
■限界利益と損益分岐点
・財務会計は過去の利益を、管理会計は現在と未来の利益を扱う
・限界利益=売上高−変動費、損益分岐点は限界利益=固定費
・管理会計で固定費を製品別に割り振るのは売価決定のため
■最適資源配分
・P パートナー(当社売上大・得意先購買力大)
・D ドリリング(当社売上小・得意先購買力大)
・C カンファタブル(当社売上大・得意先購買力小)
・A アサイナブル(当社売上小・得意先購買力小)
☆受注効率を上げるにはお金と時間をPDCAの順にかける
■埋没原価
・設備の減価償却費は埋没原価の代表例
・償却済みの設備を使ってもコストは安くならない
■機会損失
・機会損失は現実に選ばなかった案で得られたであろう利益
・代替案に気づかなければ機会損失もない
・経営は機会損失を未然に防ぐ活動
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