大失敗!―成功企業が陥った戦略ミステイクの教訓

「競争相手を過大評価してこそ安全でいられる」・・・この1文にこめられた意味と教訓の大きさに感心しました。
インテル戦略転換 Only the Paranoid Survive(Andrew S.Grove)」にも通じる部分が多い書です。トップブランド企業の転落は、あるジャンルでトップにたった人の喪失感と似たような部分があり、これではダメかもと気づいても、なかなか止められないのだと思います。

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■成功に気をつけろ、何をやっても成功すると勘違いするな
マーケットを支配すると「より多くの良い商品づくり」から「より多くの利益を生むこと」へ変化してしまう。成功すると傲慢になり、傲慢になると客観性を失い、マーケットの要望よりも自分の主観を優先させてしまう。

■トップ企業はトップの座を死守せよ
トップ企業はプライドが邪魔をして、競争相手を叩くことをためらいがちだ。しかし強力な競争相手の出現を見過ごすと、気づいた時には手遅れとなりかねない。

■トップは現場から乖離するな
規模がおおきくなると社長は現場に足を運ばなくなり、悪い話が入りにくくなる。一般社員・取引先・カスタマーの話をきけ。

■あることで有名になったら、他のことで有名になろうとしても無理である
ゼロックスがいくら多角化しようとしてもコピー機会社としか思われなかった。

■コストをきっちり守っていないと、競争相手につけこまれる
リーバイスが普及品の米国生産にこだわり中国産のライバルにつけこまれた。

■トラブルを未然に防ぐには
1.役に立たない(カスタマーの心を理解しない)コンサルタントに騙されるな
2.取締役の人選を間違えるな、各分野のエキスパートを選べ
3.証券会社の口車に乗るな(成長は結果であり、望むものではない)
4.競争相手を知れ!(敵を過大評価してこそ安心していられる)
5.大規模になるほど問題が起こると肝に銘じよ!(合併はうまくいかない)





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