フィレンツェ名門貴族の処世術
ルネサンス時代の名門貴族フランチェスコ・グィッチャルディーニ(Francesco Guicciardini)が、処世の知恵を子孫に伝えるために記した約400の短文からなる手記「リコルディ」をもとにまとめられています。一言でいえば「慎重に考え、機敏に行動せよ」という感じでしょうか。
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■悪口を言うときは当人に対してだけにせよ
・相手の国、家族、親類等、まわりのことを悪く言うのは、多くの人を怒らせるだけ
■恩はすぐ忘れるが、不愉快な目に遭わされたことはいつまでも忘れない
・恩を与えたつもりの人をあてにしないこと
■使用人に対しては、気前良くするより、むしろ出し惜しみせよ
・望みがかなえば見捨てる、希望を抱かせることでつなぎとめよ
・一人だけを選んで気前良くすると、まわりの多くの人は希望を持つ
■出所が明らかでない情報には注意せよ
・いつわりの情報を流す人間はいくらでもいる
・特に、もっともらしいが出所が明らかでない情報は、疑ってかかれ
■他人を信用するな
・人間は自分の利益については極めて敏感で、他人の利害については眼中にない
■幸運は最大の敵である
・幸運にうかれると、邪悪で軽薄で横柄になり、身を滅ぼす
■起こりそうもないことが起こる
・いくら確実に思えても将来こうなると決めつけてはならない
・可能性の高い順に2択、3択では足りない、もっとまずいことが起こる
■行動することに手間どるな
・決断を急ぐ人は慎重に決断を下す人に比べて失敗が多い
・しかし一番非難されるべきなのは、決断してしまった後で実行に移すのを手間取ること
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