本業再強化の戦略

「コア事業の見極めと重点投資、その周辺領域への拡大」というのは当たり前の戦略かなとも思えますが、単に大きくなればいい、儲かればいいと考えていると結構踏み外してしまうことがあるようです。

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■コア事業の見極め
1.自社に最も高い収益性をもたらし得る顧客層
2.自社において最大の差別化要因になっている戦略スキル
3.自社に不可欠な商品・サービス
4.最重要チャネル
5.その他、上記4つを支える重要経営資産(特許・ブランド・ネットワーク拠点など)

ロイヤルカスタマー、競合優位性、自社にしかないスキル、利益を稼ぎ出す能力、これらにおいて最も優れている領域が「収益性の高いコア事業」

■周辺領域へのアプローチ法
1.顧客と商品を軸に順次拡大する
2.「シェア・オブ・ウォレット」を拡大する
3.自社スキルを活用して拡大する
4.ネットワークを拡大する
5.全く新しい周辺領域で拡大する

■周辺領域に進出する際のチェック5項目(2つ以上該当しない場合は魅力度を疑うこと)
1.コア事業の強化にどのくらい貢献し得るか?
2.その新規事業や新規セグメントでリーダーとなる確率はどの程度あるか?
3.その事業には、現在あるいは将来の競合相手を退け、参入を阻止するための防御機能があるか?
4.その事業への投資は将来、コア事業により強固な周辺領域をもたらすか?
5.確実に最高の成果を達成できるか?





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意思決定のサイエンス (Harvard Business Review Anthology)」では本書を取り上げ、次のように分析している

著者は高業績企業全体の78%はコア活動に集中しているが、低業績企業は22%にすぎないと指摘している。
この研究では1854社を対象としているが、やはりそれらは、彼らの研究期間に存続していた企業のみである。
従って、選択と集中の戦略を採用したものの、失敗した企業は考慮されていない。
当時、選択と集中の戦略を採りながら倒産した他の200社をサンプルに含めていたとすれば、コア事業への集中と業績との真の相関関係は、著者の示したものと全く逆になっていただろう。




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